Ⅰ．アルコール事業法の概要
１．アルコール事業法の目的
アルコールは、国民生活及び産業活動に不可欠な基礎物資として、工業用途に幅広く利用されている一方、酒類と同一の特性を有しています。アルコール事業法は、アルコールの酒類の原料への不正な使用の防止に配慮しつつ、アルコールの製造、輸入及び販売の事業の運営等を適正なものとすることにより、我が国のアルコール事業の健全な発展及びアルコールの安定的かつ円滑な供給の確保を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする法律です。
＊ 本法でいう「アルコール」とは、アルコール分（温度１５度の時に原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量� �が９０度以上のアルコールをいいます。
２．アルコール事業法の概要
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アルコール専売制度は平成１３年３月末をもって廃止され、アルコールの製造、輸入、販売、使用につきましては、アルコール事業法に基づく制度に移行 しております。
(1) 酒類原料への不正使用防止のための流通管理（許可制の採用）
アルコールが酒類の原料に不正に使用されることを防止しつつ工業用に確実に供給されることを確保するため、事業者等に対する許可制を採用し、アルコールの製造、輸入、販売、使用について、許可を受けることにより一定の条件の下に自由に行うことができ ます。
(2) NEDOによる特定アルコールの販売 （※平成１８年３月末まで）
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工業用であっても、事業者が新商品の開発等に使用する場合などその内容を明らかにしたくない場合や、一単位あたりの使用数量がはっきりしない場合などに使用されるアルコールは、上記(1)の流通管理になじまないため、こういったケースに使用されるアルコールにつきましては、NEDO（ 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構）から販売される特定アルコール（酒類原料への不正使用を防止する価額（加算額）を付加したアルコール）をお使いいただくことになります。
これは、専売法下において一般価格（専売法第１９条に基づく価格）で国により供給されていたアルコールと同様のものです。
なお、特定アルコールについては、ＮＥＤＯから購入した後は、自由に販売、使用することが可能となっており、許可を受けて行う必要はありません。
(3) 緊急時におけるアルコールの安定供給確保のための措置
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アルコールが幅広い分野に使用される基礎物資としての重要性にかんがみ、工場事故や自然災害等によりアルコールの供給が大幅に不足すると見込まれるとき、経済産業大臣は製造事業者、輸入事業者に対し、アルコールの製造・輸入予定数量の増加を図る等の措置をとるべきことを勧告し、緊急時におけるアルコールの安定供給の確保を図ることとしております。
(4) 暫定措置期間（激変緩和のための措置） （※平成１８年３月末まで）
アルコール専売制度の廃止及び新制度への移行に際し、遠隔地のユーザーや中小零細ユーザーを中心とした流通面、価格面での悪影響に対する配慮から、平成１３年４月１日から平成１８年３月３１日までの間、アルコールの販売に関し、製造事業者又は輸入事業者の製造又は輸入したアルコールは、原則として一度NEDOを経由して販売しなければならないこととなっております【NEDOによる一手購入・販売】。NEDOの販売するアルコールの価格は経済産業大臣の認可を受けることとなっております。
暫定措置の詳細については、Ⅲ．をご覧ください。
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